ピアノコンクールの講評において、
もっとハーモニーを感じて弾いてください
和声を考えて弾きましょう
と書かれることがよくあります。
ハーモニー感(=和声感)のある演奏とは、どうすれば出来るのでしょうか?という、お悩み相談をよく頂きますので、1例をご紹介したいと思います。
先月も、ブルグミュラーコンクールにおいて、予選は通ったものの、「よく弾けていますが、もっと表情豊かに弾きましょう」と講評に書かれ、ファイナルに向けて、これ以上どうすれば改善するのか分からない、と、アドバイスレッスンをお申込頂いた方がいらっしゃいました。
「貴婦人の乗馬」なのですが、演奏を聴かせて頂くと、確かに、最後の速いところもしっかり弾けていて、テクニック的には問題のない演奏でしたが、今一つ、表情が単調だなという印象でした。
そこで、右手でメロディ、左手でコードを弾き、そのコードに色を塗り、色のイメージの音を出す練習をしました。
調性によって和音の機能が違ってくるので、コードの色のイメージも変わるため、私の方から色の提案はしましたが、ワンフレーズ同じように弾いていたものが、コードが変わるたびに表情は違うんだということに気づいてもらえたようでした。
自分の生徒にも、同じようにやっていますが、最初のうちは私から提案しますが、慣れてくれば自分でイメージが湧くようで、その色は大体、私が考えるものと似ている結果になっています。
和声分析することで、漠然としていたイメージが、よりはっきりと理解できるようになります。
人に何かを伝えるということは、漠然としたイメージでは伝わらないので、伝える側(演奏者)は、明確な意図を持って、はっきりと伝えないと、聴いている相手には伝わりません。
一度、大袈裟に表現し、それを少し抑えていくと、ちょうど良い表現になります。
最初はコードが難しい、と思うかもしれませんが、そもそもその曲のその部分は、そのコード音を主体として出来ているわけなので、そこにある音をまとめているわけですから、そんなに難しいことではありません。
ただ雰囲気だけで弾いていても、印象が弱いですから、何調なのか、どんな和音出来ているのか、しっかりと理解を深めて、演奏しましょう!
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